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日常生活に影響を与える側弯症コルセットのメリット・デメリットを解説

2025.03.03

側弯症の治療において、装具療法は特に成長期の患者さんに対して簡易的に取り入れられる治療法の一つです。
装具療法では、側弯症に対してどのような効果があるのか、装具をつけることのメリットやデメリットをまとめています。

その他、側弯症の治療法についてはこちらの記事を参考にしてください(側弯症の治療方法の紹介

装具療法のメリット

成長期の側弯症における進行防止
装具療法は、骨がまだ成長している時期において、側弯の進行を抑制する目的で用いられます。特に、曲線が中等度(一般的には20~40度程度)の場合、適切に使用することで、手術の必要性を回避できる可能性が高まります。

姿勢の改善と心理的サポート
装具を着用することで、背骨の位置をサポートし、姿勢の改善に寄与します。これにより、筋肉のバランスが整い、長期的な悪化を防ぐ効果が期待できます。
特に成長期のお子さんの場合、治療が計画的に行われるという安心感が、治療への協力度や自己管理意識の向上につながることがあります。

手術回避の可能性
適切な管理の下で装具療法を行うことで、重度の側弯に進行するリスクが低減され、手術といった侵襲的な治療を避けられるケースがあります。

装具療法のデメリット

着用時間の制約
一般的に、装具は1日18~23時間の着用が求められることが多く、学校生活や日常生活での活動に制限が出る場合があります。

不快感や皮膚トラブル
長時間の装具着用により、皮膚の摩擦や圧迫によるかゆみ、痛み、さらには皮膚炎などのトラブルが発生する可能性があります。

筋力低下のリスク
装具が背骨をサポートするため、使用中は筋肉の働きが補助される分、自発的な筋力トレーニングが不足し、特定の筋群が低下する懸念があります。そのため、装具療法と並行して、体幹の筋力強化やストレッチなどの運動療法が推奨されます。

根本的な矯正ではない
装具療法は、側弯の進行を抑えるための治療であり、背骨を完全に真っ直ぐに戻す矯正治療ではありません。治療の目的は悪化を防ぐことであり、見た目の改善は限定的な場合が多いです。

コンプライアンスの重要性
効果を最大限に発揮するためには、患者さん自身や家族が治療計画をしっかりと守る必要があります。着用時間や適切な装具の管理ができない場合、効果が減少するリスクがあります。

装具療法で感じる日常生活の大変さ

①長時間の着用による不快感・疲労感
装具を1日中着用するため、皮膚の摩擦や締め付け感、蒸れなどが原因で不快感や疲労が生じることがあります。

②服装の制限
装具に合わせた服装を選ぶ必要があり、デザインや着心地の面で自由度が下がる場合があります。
※特に学校や職場など、外見が気になる場面では心理的な負担になることも。

③日常の動作の制限
装具の形状や重量により、普段の動作(座る、歩く、寝返りを打つなど)が制限されることがあります。

④生活リズムの変化
装具の調整や着脱、皮膚のケアに時間を割く必要があります。

日常生活を楽に過ごすための工夫

① 皮膚ケアと快適性の向上
装具による皮膚のかぶれや摩擦を防ぐため、洗浄や保湿、専用のバリアクリームを使用するなど、スキンケアを徹底しましょう。また、装具の特に圧迫感が強い部分には、医療用のクッションやパッドを装着することで、痛みや不快感を和らげることができます。

② 動作や生活習慣の調整
長時間装具を着用すると体に負担がかかるため、無理のない範囲で定期的な休憩や軽いストレッチ、体幹を動かすエクササイズを取り入れると良いでしょう。

③ 精神的なサポート・コミュニケーション
装具療法による制約や不便さや心理的負担を軽減するためにも、積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。家族や友人の助けをもらう際に、自分がどんなことに困っているのか、どのようなサポートがあるといいのかが分かると周りの協力が得られやすくなります。

④ 医療スタッフとの連携

装具のフィッティングや調整は、定期的に専門の医師や理学療法士にチェックしてもらい、必要に応じて調整することが大切です。
※装具が適切にフィットしていないと、さらに不快感や皮膚トラブルの原因になります。

まとめ

側弯症における装具療法は日常生活に様々な影響を及ぼします。

しかし、側弯症の進行を抑制するために効果的な方法のため、メリット・デメリットをよく理解し、日常生活を楽に過ごすための工夫を取り入れて身体的にも、精神的にもストレスを減らせるように心がけましょう。

当院では、側弯症に対する施術も行なっております。装具療法だけではなかなか改善が見られない場合は、こちらの記事を参考にしながら、治療方針を考えていただければと思います。(側弯症の理想的なアプローチ方法


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