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頭蓋オステオパシーを学ぶ【札幌整体院院長のオステオパシーを学ぶ旅】

2026.09.11

こんにちは。
オステオパシー治療院いぶき、院長の方波見です。

 

少し前になりますが、6月に頭蓋のオステオパシーセミナーに参加してきました。

 

オステオパシーを学んでいる方であれば、「クレニオ」「クラニオ」「頭蓋」といった言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。

 

現在では、オステオパシーにおける頭蓋アプローチを源流として、さまざまな考え方や方法によるクレニオワークがあります。

 

実際に、僕のところに来られる方の中にも、「以前クレニオを受けたことがあります」という方が時々いらっしゃいます。

 

そんな中、今回のセミナーを受講して、改めて感じたことがあります。

 

それは、頭蓋オステオパシーを学ぶのであれば、その源流に近いところから学ぶことは、とても大切だということです。

 

僕が初めてオステオパシーを学んだオステオパシー団体の会長も、「頭蓋を学ぶならアメリカだ」と話していたのを覚えています。

 

当時はその言葉の意味を十分に理解していたわけではありませんでしたが、今回実際にアメリカのオステオパスから頭蓋オステオパシーを学び、改めてその重要性を感じました。

 

 

さまざまなクレニオワーク

現在、クレニオワークと呼ばれるものには、さまざまな考え方や方法があります。

 

一見すると似ているように見えても、身体の捉え方や触れ方、そして施術者の在り方には、それぞれ違いがあります。

 

オステオパシーにおける頭蓋領域を歴史的に辿っていくと、重要な人物としてウィリアム・ガーナー・サザーランド(William Garner Sutherland)がいます。

 

サザーランドは、オステオパシーの創始者であるA.T.スティルの弟子であり、頭蓋オステオパシーを研究していた人物です

サザーランドが探究したのは、単に「頭蓋骨をどう動かすか」という技術だけではありませんでした。

 

頭蓋骨を単なる「動かない骨」として捉えるのではなく、身体の中に存在する生命の動きとは何なのか。

 

そして、

その生命の動きと身体の構造には、どのような関係があるのか。

という問いを深く探究していきました。

 

頭蓋は、単純に「歪んでいるから矯正すればいい」というものではありません。

もちろん、解剖学的な構造や関節の動きを理解することは重要です。

 

しかし、その先にあるものまで考えていくと、頭蓋オステオパシーは単なる「頭蓋を動かす技術」ではなくなっていきます。

 

 

頭蓋の施術がなぜ重要なのか?

頭蓋の施術が重要なのには理由があります。

 

頭蓋の中には脳があります。

脳は神経系の中枢として、運動や感覚をはじめ、生命を維持するためのさまざまな機能と関係しています。

 

また、頭蓋は頸部、顎、眼、舌、呼吸、姿勢など、全身のさまざまな構造や機能とも関係しています。

 

そのため、頭蓋を考えるということは、

「頭だけを見る」ということではありません。

 

「この人の身体全体は、今どのような状態なのか?」

を見ることができます。

 

例えば、頭蓋に触れているときに頸部の緊張が変化したり、呼吸が変わったり、全身の緊張が抜けていったりすることがあります。

 

これは、身体が一つのユニットとして機能しているからこそ起こる変化です。

 

だからこそ、頭蓋を施術するときにも、頭だけを見ているわけではありません。

 

 

頭蓋を施術すると、どんな恩恵があるのか?

頭蓋へのアプローチというと、

「頭痛に効く」

「自律神経が整う」

「脳がリラックスする」

など、さまざまな説明を耳にすることがあります。

ただ、実際には「頭蓋を施術すれば、必ずこの症状が改善する」という単純なものではありません。

 

人によって身体の状態は違います。

 

そのため、僕が頭蓋へのアプローチで大切にしているのは、

「そもそも、この人に頭蓋へのアプローチが必要なのか?」

というところから考えることです。

 

そして必要であれば、頭蓋へのアプローチを通して、身体が本来持っている自己調整能力が働きやすい環境をつくっていきます。

 

その結果として、

 

・痛みや痺れが緩和する
・頭や頸部の緊張が変化する
・呼吸がしやすくなる
・身体の力が抜ける
・リラックスしやすくなる
・顎や頸部の緊張が変化する
・身体の感覚が変わる
・全身の動きが変わる

 

といった変化が起こることがあります。

 

大切なのは、

頭蓋だけを変えようとしているわけではない

ということです。

 

頭蓋を通して、身体全体の調和を取り戻していく。

僕はそのように考えています。

 

 

「技術」の先

頭蓋の勉強を始めると、どうしても技術に意識が向きます。

 

「この骨はどちらに動くのか?」

「どこにコンタクトするのか?」

「どの方向へ誘導するのか?」

 

もちろん、これらを正確に学ぶことは大切です。

 

しかし、それだけではサザーランドが探究した頭蓋オステオパシーの奥深さには辿り着けないのではないかと思います。

 

なぜ、その動きがあるのか?

なぜ、そこに触れるのか?

そのとき身体では何が起きているのか?

頭蓋と他の身体との関係性はどうなっているのか?

生命の働きはどうなっているのか?

そして、施術者自身はどのような状態で身体に触れているのか?

 

ここまで考えていくと、頭蓋の世界は単なるテクニックの世界ではなくなっていきます。

 

今回のセミナーで感じた「深さ」

今回のセミナーで改めて感じたのは、

テクニックの先に、非常に深い世界がある

ということでした。

 

オステオパシーを学んでいる方であれば、A.T.スティルが「テクニック」は教えなかったというのをご存知かもしれません。

 

オステオパシーには、テクニックの背景にある身体観、生命観、哲学があります。

 

僕は最近、オステオパシーに限らず、

「何かを深く学ぶのであれば、その源流を学んだ方がいい」

と強く感じています。

 

新しく生まれた考え方や方法にも、それぞれ素晴らしい部分があります。

一方で、時間が経つにつれて、もともとの考え方から技術だけが切り離されて伝わっていくことがあります。

 

そうすると、

「何をするのか」

は残っていても、

「なぜ、それをするのか」

が失われてしまうことがあります。

 

これは、オステオパシーに限った話ではないと思います。

伝統を受け継ぐことはとても重要です。

 

サザーランド自身は、A.T.スティル博士は1,000年先を行っており、スティルの考えていたことが当時の人々には十分に理解されていなかった、という言葉を残しています。

 

先人が何を考え、何を見て、何を探究していたのか。

 

そこまで遡って学ぶことで、現在残っている技術の意味も変わって見えてきます。

 

 

源流を学ぶということ

今回、改めて感じたのは、

「どのテクニックを知っているか」だけでは、オステオパシーの深さは決まらない

ということです。

身体をどのように捉えるのか。

生命をどのように捉えるのか。

そして、施術者自身がどのような状態で身体に触れるのか。

 

その背景にある哲学まで含めて学ぶことで、同じ「頭蓋へのアプローチ」でも、その意味は大きく変わってくるように感じます。

 

今回、源流に近いところから学んだことで、

「頭蓋を施術する」ということの奥に、深い世界を体験することができました。

 

今回のセミナーで学んだことを、これからのいぶきの臨床に丁寧に活かしていきたいと思います。

 

 


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